非技術的なノウハウ権は、まだ日本では権利として認められていない。

「ビジネスモデル特許」では、「インターネットを利用する事で、技術的と評価できる様なノウハウ」に限って認めている。

この意味で、フォーマット販売の日本における法的位置づけはないといえる。たとえばA局が番組フォーマットを支払ってクイズ・ミリオネアを放送しても、同時にB局では番組フォーマットを支払わずにクイズ・ミリオネアのノウハウをコピーしてクイズミリオネアもどきの番組を放送するということは可能である。

では、なぜお金を支払う義務のないノウハウにお金を支払う契約をしているのか。それはお金を支払うことで失おうお金よりも、それ以上にお金を手に入れることができるメリットが放送局にあるからだ。

番組フォーマットにお金を払うメリットとは、日本の放送局に世界で通用する魅力的な番組があった場合に、その番組について「非技術的ノウハウ権」を主張してオプション契約を海外の放送局と締結し、高額な価格で売ることができる、という点だ。

たとえば、「バイキング」「ネプリーグ」「トリビアの泉」などの番組フォーマットは、海外で販売され日本の放送局は輸出利益をあげている。

こうした番組フォーマットを海外の番組制作会社に売って商売をするためには、輸出している放送局自身が番組フォーマットを輸入するときにオプション契約を締結していなければならないだろう。

輸出するときだけお金を請求して輸入するときにはタダで使うというダブルスタンダードは、法律上は可能でも、国際コンテンツ貿易上では通用しない。

そういった意味で、日本の放送局は海外のコンテンツホルダーに使用料を払っているのであり、販売を見据えた購入なのである。